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曳家というお仕事

公開日: : 工務店, 社会

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実際に曳家工事の見学に行ったときのスナップです。 左が岡本さん 右が私です。

皆さんは「曳家(ひきや)」という仕事を知っていますか?

建築業界に居れば、なんとなくは聞いたことがある、家を平行に移動する仕事でしょ?といったくらいの認識はあると思います。それは間違いではありませんが、実際はプラスアルファの仕事があって、そんなときに使うのか!というのを知ってもらえればと思います。

 

私の知り合いで「曳家岡本」の代表を務める岡本直也さんという方がいます。

 

本を出したり、新聞の取材を受けたり、解体屋ゲンという漫画に出ていたり、建築業界の一部ではとても有名人ですが、あって話すと当たりの柔らかい、絵を愛する朴訥な職人さんです。

 

では「曳家」とは具体的にどんな仕事でしょうか?

段階として3つあります。

1.建物を持ち上げる(ジャッキアップ)

2.建物を移動する(曳く)

3.建物をおろす

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1.建物を持ち上げる

建築業界に身をおいている人は分かりますが、家というのはマッチ箱のように全体に平均して荷重が掛かっているわけではありません。つまり、せーのでいっぺんに柱を持ち上げたら荷重がもろにかかるところとそうでないところが出てきます。当然、荷重がたくさんかかるところ(特にホゾなどの接合部)は壊れやすくなりますね。

 

本当はそれを見極めて丁寧にムリなく荷重がかかるように柱一本一本に応じた力で持ち上げる必要があるわけです。ただ持ち上げるというわけにはいかないんですね。そして持ち上げた状態でキープするために枕木をキャンプファイアーのようにくみ上げます。

 

2.建物を移動する

レールに乗せて移動するわけですが、地面というのは平らに見えて本当は平らでありません。家を新築された方なら建てる前の敷地調査で自分の家の敷地内に意外と高低差があることをデータとして知っているかもしれません。また、地面の硬さというのも場所によってまちまちです。それを見極めて建物を移動するときに建物が揺れて構造にダメージを与えないようにしないといけないのです。

 

3.建物をおろす

これは1番の逆になります。枕木がくみ上げてあるところに建物をのせて、その下にある基礎(今ならコンクリート、昔なら石)に少しずつおろしていくのです。当然、荷重がいびつになって構造にムリがかからないように慎重にやらなければなりません。

 

簡単に説明しましたが、伝わりましたでしょうか?

 

実際の依頼としてはこのような3段階の曳家よりも、1番と3番のみのお仕事が多いそうです。どんな時にそのような仕事が発生するかというと

・沈下修正

・耐震リフォーム

・構造の修復

といったときに発生するそうです。

 

・沈下修正、

…これは地震で地盤自体が斜めになって建物の一部が低くなってしまったりしたときに、土台から上を一度持ち上げてが斜めになってしまったり、長い年月のうちにすこしづつ建物が不同沈下(一部が沈んで床が斜めになってしまう状態)した建物を一度持ち上げて、基礎部分や柱などの構造を直し、その後で直した基礎の上に建物を戻すというものです。

 

・耐震リフォーム

…長い年月の経った建物の一部(土台や柱など)が構造として持たなくなってしまっている場合に、その部分を浮かせて新しい部材と取り替えるものです。

 

・構造の修復

…たとえば、家の新築をしている途中で構造が予定と違っていた(柱の長さが違っていた、

など)ことが分かったので修復するとか、解体工事中に他の建物の一部を壊してしまって部分修理をする場合です。

 

 

建物をもちあげる、と簡単に書きましたが、ジャッキを使ってミリ単位で上げていきます。私も見学した時にお手伝いしましたが、建物を痛めないように本当に少しづつ少しづつなのです。ただ、これも皆がこのやりかたで慎重に行うわけでもないのだそうです。東日本大震災当時、液状化のおきた浦安市周辺では複数の業者が入って工事をしていたそうですが、荒っぽい業者もいたそうです。なぜ慎重でない荒っぽい工事をするかといえば、時間をかけない方がたくさん工事をこなして儲かるからですね。

 

ちなみに曳家岡本さんは「舟大工」「宮大工」の流れにいる「曳き大工」と呼ばれる大工系の職人さんです。誇りを持った丁寧な素晴らしい職人さんですので、もし「これは相談した方がよいかも」という時は

工務店さんも

建築士さんも

一般の方も

ぜひ連絡してみてください。
こちらは曳家岡本さんのHPです。

https://www.hikiyaokamoto.com/greeting

 

記事 一社)コミュニティービルダー協会 浄法寺亘

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