6月上旬の建築関連ニュース
梅雨入りしたものの雨もそれほど多くもなくこのままだと空梅雨で終わってしまいそうですね。
この6月も大きなニュースがありましたのでピックアップしてみます。
「建築基準法の一部改正の施行」
…昨年の6月27日に交付されていた「建築基準法の一部を改正する法律」がこの6月25日に施行となります。
背景としてあるのは、
・近年の大規模火災を踏まえて、市街地の安全性の向上、適切な維持管理による建築物の安全性の確保を円滑に進めることなどが課題
・空き家が増加傾向にある中で、住宅をそれ以外の用途に変更して活用するときに安全性の確保と既存建築ストックの有効活用を両立しつつ、建築規制を合理化していくこと。
・木材を建築材料として活用することで循環型社会の形成や国土の保全、地域経済の活性化に貢献することが期待されており、近年の技術開発も踏まえ、建築物の木造・木質化に資するよう、建築基準の合理化をすること。
具体的には
(1) 建築物・市街地の安全性の確保
[1] 建築物を常時適法に維持するための維持保全計画の作成等が求められる建築物の範囲を拡大
[2] 防火地域・準防火地域において延焼防止性能の高い建築物の建ぺい率制限を10%緩和等
(2) 既存建築ストックの活用
[1] 戸建住宅等(延べ面積200㎡未満かつ3階建て以下)を他の用途とする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする
[2] 用途変更に伴って建築確認が必要となる規模の見直し等
(3) 木造建築物の整備の推進
[1] 耐火構造等とすべき木造建築物の対象の見直し(高さ13m・軒高9m超 →高さ16m超・階数4 以上)
[2] [1]の規制を受ける場合についても、木材をそのまま見せる(あらわし)等の耐火構造以外の構造を可能とするよう基準を見直し等
(4) その他
[1] 老人ホーム等に係る容積率制限を緩和(共用廊下等を算定基礎となる床面積から除外)
[2] 興行場等の仮設建築物の存続期間(現行1年)の延長
ということで、まあまあなボリュームがあります。
個人的には「木造建築物の整備の推進」防火・準防火地域の建蔽率の緩和、耐火の木造建築対象とあらわし(おそらく真壁)構造の見直し、が気になりますね。
既存建築ストックの活用はオリンピックを控えて「民泊」の準備待ったなしなのに施設の増加があまり進んでないことを懸念してのことでしょうけど、これで進むでしょうか。
いずれにしても国産材の利用をもっとどんどん後押しして欲しいですね。
林業に補助金もいいですが、現地でビルリフォームで無垢材をはるのに補助金を出すとかどんどんやってほしいです。
記事 コミュニティビルダー協会代表 浄法寺亘
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