工務店 経営 在来工法っていつからあるか知っていますか?
こんにちは、コミュニティビルダー協会の浄法寺です。
今回は、日本の住宅、木造住宅ついてお話したいと思います。
よく日本の場合、在来工法っていう言葉が使われ木造軸組工法っていうふうにも言われるわけなんですが、今一般的に見られるような「在来」工法というのは、だいたい第二次大戦後に確定した作り方と言っていいと思います。
ただ、柱と梁を直角に繋いで屋根をかける、という日本の木造住宅の元はものすごい昔からあって、実は縄文時代からあったと言われてます。
具体的な数字で言うと、紀元前2000年ですね。桜町遺跡といって富山にあるんですが、そこに抜き穴がある木材が発掘されました。ちなみにここでは高床式の住居跡があってそれまで弥生時代に大陸から伝わったという定説を覆して、縄文時代にあったということが分かったということでも有名な遺跡だそうです。
「ほぞ」を組み合わせる工法も縄文時代からあったらしく、これは石川県の真脇遺跡で見つかっています。さすが昔は海岸交易の主役は日本海だったいわれているだけありますね。
すごいですよね。紀元前2000年って、今、西暦2000年をちょっと過ぎたぐらいですけども、つまり、日本では木造の家にですね木造の家といわゆる柱を立てて横に梁を渡してその上に屋根が乗ってくるという作り方の家に4000年住んでるわけですよね。それだけの歴史がある。
もちろん昔から日本には、木造の建物があるわけなんですけども、昔は今のように補強金物というのは、あんまり使ってませんでした。
それから、筋交い。柱と柱の間に斜めに入れる補強の構造材のことを言うわけなんですけども、これも戦前はほとんどありませんでした。
ではどうやって横方向に強い構造にしていたかと言うと梁と貫(ぬき)を組み合わせていました。
田舎では昔からある壊れかけた土蔵などを見たことがあると思うのですが、柱と柱の間に、板というか板よりもちょっと厚めなんですけども、の材料が柱と直角にですね、横に繋がってるのを見たことがあると思うんですけどあれが貫っていうものですね。
昔はそういうものを使っていましたが、これは昔の方がすごく良かったかっていうとそんな単純なものでもなくて、当然柱の太さっていうのも今と昔では違う(基本的には昔の家のほうが太い)わけですから細い柱に貫を入れる穴を開けることが良いとはいえませんよね。やっぱり適材適所(元は建築用語といわれてます)ってよく言いますけれども、例えば貫工法では接合部が弱点と言われるわけでここは補強するわけなんですけども、筋交いっていうのは斜めに入ってますから力学的には合理的なんですよね。ただ、真壁(特に塗り壁)の場合は収まりが良くないので、現在のように構造用合板を柱の外側に貼ってある程度の柱の太さがあるのであれば、貫でもいいんじゃないかと思います。
では「基礎」建物自体の下にある土の上に乗ってる部分ですけども、これは当然みんなコンクリートでできてます。布基礎とかベタ基礎とか、スラブ基礎とかありますけども鉄筋コンクリートで造ってあってその上に家が載っています。じゃあなんで基礎が必要なんでしょう?
・構造である木材が直接土に触れて腐らない
・基礎が半ば地面に埋まっているので自身などの場合、横ずれが防げる
・出来るだけ不動沈下(建物が傾いた状態)を防ぐ
この3つが主要目的だと思います。
昔の日本には当然、コンクリートはかなった(古代ローマにはあったそうですが)ので、いわゆる石場立と言って、石の上に柱が直接乗ってるっていう。そういう感じだったわけですね。昔は縁の下って古い建物と神社とか、私は農家の家とかでしか見たことがないですけど、大きな平たい石の上に柱が乗ってて、それで家があるというそういう状況なわけなんですけども、強度と強度というかそのコンクリートがどのぐらいもつのかっていうところで言うと、100年ぐらいまでもつのかどうのか、よく六、七十年とかって言います。
なんだ100年住宅じゃないんじゃないかとかいう、その辺のちょっと話は置いといて、石はもう硬いのを選べば、100年何百年とかって持つんでしょうけども、その上に乗っかっててずれないのかっていう話ですよね。結論から言うと、東日本大震災みたいな地震が起きてしまえば、当然ずれますよね。実際は建物の重さによるのですが、数ミリだったという話も聞いたことがあります。
ずれて何が困るか。昔はあまり困らなかったかもしれませんが、いまはエアコンもついていますし、軒と境界はぎりぎりですし、ずれたら戻さないといけないというのはとても大変ですね。建物自体はもう何トンもありますので、そうそう簡単にずれるようなものではないんですが。
コンクリートが持たないというのであれば、石場立はどうかといえば柱はヒノキであったりとかそういう腐りにくいものをやっぱり使うのが前提になるとは思います。構造的に柱がむき出しですから。湿気が来ないようにしないといけないですよね。
いずれにしても在来工法はこの地震の多い日本で育まれた作り方なわけなんですけども、一時期は、この在来工法が地震に弱いって言われていたときがあります。ツーバイフォーの方が強いとかそんなことは言われたりしたんですが、これはどちらかというと、よくある話ですけども、在来だから弱いというよりは、「弱い作り方をした在来が壊れた」という、それが本当のところかなと思います。それなら今、例えば熊本の地震であるとか繰り返し来るような地震に対して耐えられる家というのはどんなものかといえば、当然ですね、開口部が少なくて壁面が多い方が強いうのはあるわけです。昔とは違いますからね、あの断熱材もちゃんと入っててサッシも収まってて。昔はサッシというもの自体がなかったわけで、窓自体が日本の場合イコール障子みたいな感じでしたからとても寒かったんですね。いまはもうそれは無理な話です。
せっかく日本で建てるんであれば、日本で育った木を使って、しっかりとした家で、温かくて、家族が幸せに過ごせる。
そういうお家が作れたらいいんじゃないかなというふうに思います。
記事 コミュニティビルダー協会 浄法寺
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