工務店 経営 木材値上がりと第3次ウッドショック
昨年の9月このブログで
という記事を書いたのですが、
まさに「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪を引く」の習いどおりに
現在、日本の建築業界では構造材の仕入れが危機的で
一部では
”第三次ウッドショック”
と呼んでいます。
そもそもなぜ、北米で木材が高騰したかといえば
もともと欧米というのは家に関して
自分で直したり付け加えたりして家の価値を上げていく
というのが当たり前のところがあるんですが、
住宅着工も増えてすごくツーバイフォー材の需要が
すごく増えているということが出ています。
実は新型コロナの影響があって
このところずっとメーカーの方が生産を抑えて
木材を作るのを抑えていたのもあって
供給が多いついていないということなんですね。
価格上昇するっていうと大変なんですが、
どのくらい上がっているかと言うと
実際最高値を更新中。
いわゆるSPFですね、
スプルース・パイン・ファーのことですが、
こちらの方が上がっているのだそうです。
なぜこんな最高値更新中なんてことになってしまったかと言うと、
さっき書いたようにメーカーは新型コロナで大変だから需要が減るだろう!
と考えてレイオフいわゆる大量解雇して減産したわけです。
ところが、木材メーカーの予想に反して
在宅の時間が増えたことで
家の中のリフォームとかちょっと変えたいとか、
キッチンですとか庭のフェンスとかですね
まあそういった家の中を改修したいという人が
増えてしまったんです。
しかも4月には90万戸を割った住宅着工数が
7月には150万戸弱というところまで戻ってきている。
150万戸ですよ!
すごいですよね。
日本なんか注文住宅が年間30万戸割っているというのに。
アメリカの工務店さんは経営が上向きますね。
それで木材メーカーは増産したいのですが、
もう減らしてしまった従業員も再雇用しようとしても
既に他の会社に就職してしまったりとかしてて戻ってこない。
増産できないが需要はあるということで、値上がりとなってしまったんです。
これに加えて欧州材も値上がりして中国は高くても買うし、
品質にうるさくて買い叩く日本に優先して売る必要があるのか?
ということになっています。
ただし、コロナがいつまで続くかによってこの流れがいつ終わるかも
関わってきますので、日本にまったく売らないということにはならないと思います。
そして、ここで問題になるのは結局のところ2点
1.住宅の見積の値上がり
2.材料が入らず着工のめどがたたない
です。
1番の見積の値上がりについては、
これから商談に入る分に関しては単純に見積もり金額を上げればよいのですが
問題は既に見積を出して契約しているが、木材の発注がまだという案件です。
仮に木材が2割の値上がりだとしたら、契約金額のまま着工したら
その2割分を会社側が負担しなければなりません。
といって、お客様に
「実は・・・材料が値上がりしたので追加のお金がかかります」
と言えるかどうか。
ただ、その分を会社側が負担して
ただち倒産とかになるレベルではないはずです。
ひとつは木材というのは船便なので2~3ヶ月前の発注分はあるということ。
金額にしてもおそらく全体の金額の5%~8%アップくらいではないでしょうか。
ただ、棟数が多いところで利益を薄くやってるところはちょっと大変かもしれません。
2番目の材料が入らない、こっちのほうが深刻ですね。
特に契約済みで着工待ちの案件ですね。
注文住宅というのはあたりまえですが着工~引渡しをしないとお金が入りません。
でも会社なり家庭なり「固定費」は毎月かかっていきます。
貯金や融資など今の時点で確認をされたほうが良いと思います。
もっと大変なのは分譲系の会社ではないでしょうか。
それに加えて着工できなければ土地の固定資産税がかかってきます。
私個人としてはこれを機会に
「国産材へのシフト」
が進むことを望んでいます。
なぜなら、
地域密着であるはずの工務店がその地域の木材を使うべきだということ。
地域の木材を使うことで燃料消費を減らしエコであるということ。
日本の木材を使って国内林業を支えるべきだということ。
今は木材の値段が外材に比べて非常に高価ではないこと。
これら理由があるからです。
これから持続可能な社会を子どもたちに残していくためにも
外材から国産材への転換期になることを望みます。
記事 コミュニティービルダー協会 浄法寺亘
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