10月前半の気になったニュースから:R住宅
10月に入って気温も秋らしくなってきましたね。
北国生まれの私は寒さに敏感なので、紅葉を見ながら温泉にでもつかりたい気分です。
昔の本を読むと「いざ決戦の秋(とき)」という言葉が出てきたりします。
なぜ秋が「とき」なのかというと、秋が穀物が実って収穫の季節なので
「大事な時期」という意味をもった、ということらしいです。
建築会社の皆さんにとっても秋といえば、年度内引渡しの物件が着工しはじめたり、
シルバーウィークや文化の日あたりの連休での新規の見込み客集客を
考えなければならない大事な時期ですので、体調には気をつけて
お過ごしいただければと思います。
10月前半の気になったニュースから
国交省は中古住宅の団体登録制度
「安心R住宅」
の説明会を全国6ヵ所
(仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)で開催。
(以下日経ホームビルダーから抜粋)
国土交通省は、消費者が安心して購入できる既存住宅に対するブランド制度「安心R住宅」を新設する方針を明らかにした。
新制度の案では、多くの消費者が中古住宅に対して抱いている「不安」「汚い」「分からない」といったイメージを払拭した住宅を、消費者が安心して購入するための基礎的な要件を備えた既存住宅(新しいイメージの既存住宅)として認めることがベースとなっている。
この要件を満たした既存住宅に対し、新たに作成する商標を付与し、安心R住宅として仲介できるようにする。
制度利用のためには事業団体への登録が必要で、運用する事業団体は一般社団法人などを想定している。
…国交省としては、中古住宅の流通を図りたいわけですね。
その理由としては
・空き家が増えるとインフラ維持が難しくなる。
・新築は優良な住宅しか許したくない。
・新築の単価が上昇する。新築を建てられない人の受け皿が必要。
・賃貸ばっかりになると固定資産税があまり取れなくなる。
等々ありますが日本では「新品信仰」が根強いことや、上記にあるように
・不安(品質や不具合)
・汚い(かっこ悪い)
・物件の良し悪しが分からない
というような理由でなかなか中古住宅の流通が増えていません。
ちなみに日本の中古住宅の流通量は欧米の1/5~1/6と言われています。
ただし、欧米の場合は
・地震が少ない
※あまり耐震性とか気にしなくて良いです
・住宅に対して自分で手を入れる文化がある
※しかも、手を入れることによって高値になる市場があります
・国をまたいでの移動がしやすい
※引越しに対する気安さ
という特色がありますので単純に比較できないんですけどね。
ともかく、上記の問題を国が分かりやすくしましょう!というのが
『安心R住宅』
なわけです。
中古住宅という言葉も「既存住宅」と呼びか変えるみたいです。
もちろん、中古住宅のメリットもありますよね。
・新築に比べて安い。
・注文住宅と違って実際の住宅を見て検討できる。
・新規分譲と違い周辺環境を確認できる。
などなど。
では具体的にR住宅では、どのような点を義務付けるかというと
1基礎的な品質の確保
⇒耐震性がある
⇒インスペクションの結果、構造上の不具合および雨漏りがない。
2リフォームが実施されている。もしくは参考価格を含むリフォーム提案の情報がある。
3外装や主な内装や水周りの現状の写真がある。
4広告時に情報の有無が開示されている。出来るだけ詳細の情報を開示する。
5トラブルがあっても相談できるよう事業者が相談窓口を設置。
とあります。
そして、その管理を認可した事業者団体に任せる、としています。
イメージとしてはこんな感じです。↓
さて、ここで課題がいくつか見えてきます。
1.耐震性の最低基準はどうするか。
…地盤まで考慮するのかとか性能表示で1~3のどの程度にするのか。
2.断熱性能の最低基準
…ここはものすごく大事だと思いますね。耐震性は実感しづらいですが
暑い寒いはすぐに実感できることなので、買った人の多くが
「やっぱり中古住宅は寒いし光熱費がかさむなあ~」
なんて感想が多くなってしまったら、買う人は少なくなってしまうでしょう。
3.購入後のトラブルに関する責任の所在
…今回、事業者団体に許認可を与えるのは国ですが、あくまで
『団体として大丈夫か』という審査であって
住宅そのものに担保を与えるわけではありません。
結局のところ、事業者団体と販売業者に責任が行くと思うのですが…。
いずれにしろ、この辺りについての説明が今回の説明会で明らかに
されるものと思います。
工務店としては?
現在、日本全体の世帯数が約5250万戸に対して住宅のストックが
6060万戸と既に家があまっていますし、人口は減って
新築は単価が上がって建てられる人は更に少なくなるのは
皆さん知っての通りです。
となると、中古住宅のリフォーム・リノベーションが増えるのも
自明の理です。ここで元請けとしてやっていくのか、下請けに
回るのか選択が迫られていると思います。
元請けとしてやっていくのであれば、今回のような説明会などに
行って、先に情報を知り、対策を立てるのもひとつの方法では
ないでしょうか。
記事 コミュニティビルダー協会理事 浄法寺
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